股関節から音が鳴るんです
股関節から『ポキポキ』と音が鳴るという方が多くいらっしゃいます。
ガリガリ、ゴリゴリと硬いものが擦れ合うような音がするときもあるため、
「骨と骨がぶつかっている」と考えて不安になることがあるようですが、
股関節から音が鳴る原因は、骨ではなく筋肉です。
これは弾発股(だんぱつこ)といって、硬く縮んだ筋肉や腱、靭帯が骨に引っかかったり、
はじかれたりして音がする症状です。
弾発指(=ばね指)の股関節バージョンで、ばね股とも呼ばれています。
立ち上がりや歩く動作で音が鳴ることが多く、骨盤を左右に動かすだけでも
音がすることがあります。
音だけでなく痛みもある場合は、筋肉や靭帯が炎症を起こしているため
アイシングと安静が必要です。
股関節のどこから音がするのかによって、何が原因かを特定できます。
○股関節の外側から音が鳴るタイプ
大腿筋膜張筋の過緊張により、腸脛靭帯が大転子(股関節の外側の出っ張っている骨)に
引っかかって音がします。
○股関節の内側(足のつけ根=鼠径部)で音が鳴るタイプ
腸腰筋の腱が大腿骨頭に引っかかって音がします。
硬くなった筋肉や腱、靭帯が骨と擦れて炎症が起きると、その部分は肥厚して引っかかりが強くなります。
繰り返し擦れることで、やがて音だけでなく痛みも出てくる恐れがあります。
原因は、激しいスポーツ、先天性股関節脱臼、先天性臼蓋形成不全、変形性股関節症などが
挙げられます。
治療としては、縮んで固まってしまった筋肉をストレッチで伸ばすことが効果的です。
そして、筋肉を硬くしないために、骨盤の傾きや歪みを治すことも必要です。
例えば股関節の外側で音が鳴るタイプは、骨盤前傾で出尻になっている方が多いです。
普段の姿勢を見直すことも、筋肉の柔軟性の回復と合わせて重要だと思います。