小殿筋
私は小殿筋が股関節症の治療において非常に重要な筋肉だと考えています。
前回のブログに書きましたが、股関節痛の原因筋の有力候補の一つだと捉えています。
その理由は小殿筋の働きと位置にあります。
小殿筋は片足立ちの時にメインで働く筋肉です。
歩くことは片足立ちの連続ですから、正常な歩行を行うには小殿筋がしっかりと働くことが
必要になります。
反対に言えば、歩行に問題があるということは小殿筋がちゃんと働いていないとも言えます。
足が前に出ない・足に体重を乗せられない・歩くとき身体が左右に揺れる等々
歩行に不具合があれば、小殿筋が悪さをしているのではと考え治療を行っています。
そして小殿筋は股関節のすぐ近くに位置しており、関節内の炎症の影響を受けやすいです。
すでに関節の炎症は治まっていても、その炎症の影響で病気になった筋肉は強い痛みを出します。
「奥の方が痛い」「股関節が痛い」と仰る方は、小殿筋が原因になっていることが多いのです。
さらに小殿筋は、股関節だけでなく腰や脚の痛みに関与することもあります。
これは関連痛といって、痛みとなる原因が生じた部位とは異なる部位に感じる痛みのことです。
小殿筋は小さな筋肉ですが、非常に広い範囲の痛みに関連するのです。
このように小殿筋は身体に大きな影響を及ぼしており、この筋肉を治療することは非常に重要です。
直接触れることができない深層に位置する筋肉にアプローチするには『深圧』が有効です。
『深圧』では横向きになってもらい小殿筋を肘で深く押していきます。
この時は多くの方が痛みに耐えています。
決して痛くすることが目的ではありませんが、深層に圧を入れるために強く押す必要があるのです。
刺激をうけた筋肉は、緩んでいきます。
硬く縮んだ筋肉がほどけていき、柔らか筋肉に変わっていく
深圧のちからを確かめてください。