何故つまずくことが増えたのか
「ちょっとした段差で足が引っかかってつまずいてしまう」
お話を伺っていると、このような訴えをされる方が多くいらっしゃいます。
そしてその後には「筋トレをして筋力をつけないと」と続きます。
「つまずくのは足が上がりにくいからで、その原因は筋力不足だから筋トレだ!」
このように考えるのは当然のようにも思えますが、
果たして筋力低下だけの問題なのでしょうか?
これには筋肉が持つ『固有感覚』が関係します。
『固有感覚』とは、筋肉や関節の感覚のセンサーの役割をしています。
『固有感覚』が働くことにより、目を閉じて他人に手足を動かされた時でも、
どの方向にどれくらい曲がっているかを感じ取ることができます。
しかし股関節周囲の組織が硬く柔軟性が低下していると、この感覚も低下し、
手足がどのように動いているのか判断しにくくなります。
小さな段差に対して、足をどれくらい上げるのか。今はどれくらい上がっているのか。という
感覚情報が正確に伝わることで、足の位置を把握し微調整することができるのです。
深層にある硬さを解消できなければ、この固有感覚の問題は改善できません。
筋肉は適切な柔らかさを持つことで、感覚を正確に受け取って、十分な出力を発揮できます。
硬いままではこの能力は発揮できません。
まずは筋肉をほぐすことです。
深圧で病気になった筋肉を治すことが先決です。