軟骨軟化症
前回のブログでは、深圧で筋肉をほぐした結果、レントゲン写真で狭かった股関節の隙間が広がってきたと書きました。
これは股関節をまたぐ筋肉を緩めることで、骨盤と大腿骨頭の間の圧迫が無くなり、つぶれていた軟骨が元に戻ってきたためです。
それでは筋肉の硬さが改善せず、圧迫され続けると軟骨はどうなるでしょうか?
押しつぶされた状態が続くと、軟骨は減少します。
原因は軟骨内に栄養が行き届かなくなり、軟骨細胞が減り始めるからです。
軟骨には血管が無く、周りにある関節液から栄養を吸収しています。
栄養の受け取り方は、水の中のスポンジがイメージしやすいです。
圧迫により軟骨内の液体が外に出され、圧迫が解除されると周りの液体が入ってきます。
歩くとき、脚に体重をかけると軟骨は圧迫されて、液体を排出します。
脚を宙に浮かせると圧迫が解放されて、液体が流入します。
軟骨ではこのスポンジ効果が働くことで、関節液が出たり入ったりして、栄養を受け取っているのです。
筋肉が縮んで、関節の圧迫が起こり、軟骨がつぶされた状態になると、スポンジ効果の働きが悪くなります。
十分に栄養が吸収できないために軟骨細胞が減少していきます。
この状態を軟骨軟化症といいます。
筋肉が縮むと軟骨軟化症を引き起こす可能性が高くなります。
軟骨が栄養失調状態にならないように、スポンジ効果の働きを良くしなければなりません。
そのためには筋肉をほぐして、関節を緩めて、軟骨の圧迫を無くすことが重要です。