腹筋の働き
腹筋は姿勢の維持に大きな役割を果たしています。
腹筋を構成する数多くの筋肉群から、今回は腹直筋をみていきます。
腹直筋は肋骨の下から恥骨まで繋がって、お腹の表層に存在しています。
お腹に力を入れると6つに割れることからシックスパックと呼ばれていて、この腹直筋が弱いとポッコリお腹の原因になってしまいます。
この筋肉の働きは、簡単に言うと「腰を丸める」ことです。
反った腰を元に戻す働きがあるので、腹直筋が弱い人は腰が反りやすくなってしまいます。
そして姿勢維持のためのもう一つの重要な筋肉が「腸腰筋」です。
腸腰筋は腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉で、その働きは股関節を屈曲する(=太ももを挙げる)ことです。
腸腰筋が収縮すると骨盤が前方に引っ張られて、お辞儀をするように前方に傾きます。
骨盤が前傾すると、腰椎の反りが強くなって『反り腰』の状態となります。
「腹直筋が弱いと腰が反りやすくなる」
「腸腰筋が収縮するときは腰が反りやすくなる」
この2つの事柄から、腹筋の重要性が見えてきます。
硬くなって短縮した状態の腸腰筋に引っ張られて腰が反りやすくなりますが、ここで腹直筋がしっかりと働くことで腰が反るのを止めてくれます。
腹直筋は骨盤の前傾を抑えるような筋肉の走行となっているので、腹直筋をはじめとする腹筋群が弱くなると骨盤の前傾が強くなります。
骨盤の前傾により、腰痛や股関節痛など様々な痛みを出すことがあります。
腸腰筋を柔らかくすることと併せて、痛みが出ない範囲で腹筋群に刺激を与えることも必要です。