なぜ筋力が低下するのか?
左右の脚の太さが違ったり、以前よりも脚が細くなってしまったりという患者さんの多くは、
骨の変形に伴い股関節周りの筋力も低下していくと考えているようです。
しかし変形性股関節症が原因で筋力は低下しません。
筋力が低下する原因は、脚に体重をかけられないからです。
しっかりと体重をかけられないと、筋力は低下してしまいますが、
では脚に体重をかけられないのは、なぜなんでしょう。
まず考えられるのが体重をかけることへの怖さです。
病院では、脚に体重をかけると軟骨がすり減ってしまい、骨同士が当たるから痛いと説明されます。
そんなことを言われたら、脚に体重をかけることが怖くなり、必要以上に脚をかばってしまうでしょう。
つぎに、体重をかけると股関節周りが痛むので、したくてもできないということもあります。
当然、使わなければ筋力は低下していき、やがて筋肉も細くなっていきます。
脚に体重をかけられない原因は、体重をかけることへの怖さと股関節周りの痛みにあります。
この【怖さと痛み】を、克服するには筋肉の状態が重要です。
筋肉が健康な状態であれば、脚に体重をかけた際に股関節の骨にかかる衝撃を筋肉が吸収するので
骨はつぶれることはありません。
体重をかけると痛みが起きるのは骨同士が当たるからではなくて、関節包の炎症または硬く縮んだ筋肉に
よるものですから、ほぐすことで筋肉が健康な状態になれば、痛みは改善していきます。
つまり、筋肉の状態が良くなると、痛みが改善し、体重をかける怖さも無くなるわけです。
そして使えるようになれば、当然筋力はついてきますし、左右の脚の太さも揃ってきます。
変形性股関節症は、筋力が低下する病気ではありません。
筋力トレーニングよりも、十分に筋力を発揮できるように筋肉をほぐしましょう。