この膝の痛みはどこからくるのか
股関節症の方で膝の痛みを伴うケースはとても多いです。
先日お越しになった方は、股関節よりも膝の外側の痛みに苦しんでいました。
膝の外側の痛みと聞いて、まず思い当たるのが「大腿筋膜張筋」です。
上の画像を見ると、「大腿筋膜張筋」は骨盤の前外側に付着し、途中で「腸脛靭帯」に移行しています。
この靭帯が太ももの外側を下り、膝の下にある脛骨(すねの骨)の外側にくっつきます。
「大腿筋膜張筋」が硬くなったり縮んだりすることで、「腸脛靭帯」は引っ張られて伸ばされます。
常にテンションがかかった状態の「腸脛靭帯」によって、膝の下の脛骨にくっつく部分も
引っ張られ続けます。
そのストレスにより炎症が起こり痛みを出すようになってしまうのです。
今回の症例では、痛みのある膝にアプローチしただけでは痛みは改善しなかったと思います。
骨盤にくっついている「大腿筋膜張筋」をしっかりと緩めることで、治療効果を上げることができました。
このように実際に痛みが起こっている場所とは違うところに原因があることはよくみられます。
〝この痛みはどこからきているのか″
常に広い視野を持って、あらゆる可能性を考慮して治療をしなければなりません。