骨の形と痛み
軟骨が擦り減っていたり、骨と骨が当たっていることが股関節痛の原因だと考えている方は多いです。
たしかにレントゲン画像を見ると痛そうに見えます。
しかし、股関節の軟骨にも骨の表面にも痛みを感じる神経は存在しません。
ですから、神経のない股関節の軟骨や骨に股関節痛の原因を求めることは無理があると思います。
当院の患者さんには、骨と骨が当たっているにもかかわらず、痛みなく生活している方がいます。
反対に、骨や軟骨に変形は見られないものの、強い痛みを訴える方もいます。
また、手術を受けたにもかかわらず、術後に痛みや違和感を訴える方もいます。
本当に、骨や軟骨に股関節痛の原因があるなら、変形の程度と股関節痛は比例するはずです。
しかし実際には、形と痛みに相関関係はありません。
整形外科で末期と診断された方で、全く痛みがない方もいますし、
杖なしでは歩けず、じっとしてても痛いという方もいます。
レントゲン上では、変形の状態に大差がなくても、痛みの強さは驚くほど違います。
骨や軟骨の変形だけで股関節痛を考えていては、痛みの原因を追究することは困難です。